日本では、乳がんにかかる人が増えています。乳がんは、気付かないうちにがん細胞が身体のあちこちに移転し、命を脅かすことのある恐ろしい病気です。しかし、早期に発見し治療を行うことで治る可能性のある病気です。
心配だけど、どうやったら乳がんを早期発見できるのか?よく聞くセルフチェックのやり方は?色々と分からないことがたくさんありますよね。今回は、乳がんの早期発見のためのセルフチェックの方法をまとめました。乳がん「しこり」など早期発見方法、是非ご参考ください。
目次
女性にとって怖い病気:乳がんとは?
乳がんは、乳房の乳腺にできる悪性腫瘍のことです。乳腺は、母乳をつくる小葉と、母乳を乳頭まで運ぶ乳管に分けられます。
乳がんの約90%が乳管にできる「乳管がん」です。次に多いのが「小葉がん」で小葉にできる乳がんです。他には、粘液がん、管状がん、腺様?胞せんようのうほうがんといった特殊な乳がんがありますが、かかる人は少ないです。乳房上部の腋側(脇の下も含む)にできるがんが全体の約半数を占めています。二ヶ所以上の部位に乳がんができることもあります。
乳管や小葉内にがん細胞がとどまっている乳がんを非浸潤がんといい、がん細胞が乳管や小葉の外にまで増殖した状態は浸潤がんと呼ばれます。非浸潤がんは早期に発見すると、治る可能性が高いといわれています。しかし、早期の乳がんは自覚症状があまりなく、異変に気付いた時にはがん細胞が増殖して浸潤がんとなり、血管やリンパ管まで乳がんが広がっていることがあります。
更に乳がんが進行すると、骨、肺、肝臓、脳等ににがん細胞が転移し、生命の危機にかかわります。
「しこり」などセルフチェックの仕方!チェックするポイントとは?
鏡を見ながら乳房に触れてセルフチェックすることで、乳がんを早期に発見できる場合があります。
乳がんのセルフチェックポイント
乳房に以下のような異変がないか確認をします。
変形
左右差
しこり
ひきつれ
えくぼのようなへこみ
盛り上がり
赤味
浮腫み
湿疹
ただれ
痒み
乳頭からの出血や分泌物
入浴前に鏡の前でチェックする方法
①両腕を下げた状態で乳房や乳頭を観察します。
②両腕を上げて、正面、側面、斜め、様々な角度から左右差、歪み(変形)、ひきつれ、へこみ等がないかチェックします。
③乳頭にかさぶたやただれはないかチェックをし、乳頭を軽くつまんで、血のような分泌液が出ていないかも確認する。
入浴中のチェック方法
①手に石けんをつけて滑りやすくしておきます(皮膚の凹凸がよく分かります)
②触診する方の腕を上げて、反対の手で軽く押さえながらゆっくりと渦を描くように、乳房の表面にこぶしやしこりがないかチェックします。
③脇の下にも手を入れて、リンパ節が腫れていないかチェックします。
※これを左右両方の乳房で行って下さい。
就寝前のチェック方法
①仰向けになり、調べやすいように薄い枕や座布団を敷きます。
②調べる方の腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く押しながら、しこりがないかチェックします。
③腕を下げ、外側半分も同じようにチェックします。
④脇の下に手を入れ、しこりがないかチェックします。(脇の下にリンパ節腫脹ができることがあります)
⑤乳頭を軽くつまみ、血のような分泌物が出ないかチェックします。
※②?⑤を左右両方の乳房で行って下さい。
乳がんの最も多い自覚症状はしこり
乳がんのしこりの自覚症状
・痛みはほとんどない
・石のように硬い
・表面は柔らかく中に芯があるような感じ
・周囲とくっついているような感じ
・可動性がない
(※乳がんであっても上記に当てはまらない場合もあります)
乳がんは外側の上部にできやすいので、特に注意して調べましょう。
セルフチェックは毎月1回行います。日頃から乳房の状態をチェックしていると、小さな変化でも気付きやすいです。変化や異変があれば、すぐに専門の医療機関で受診をして下さい。
セルフチェックで違和感があったら乳がん検診!
乳がんは、早期発見によって適切な治療を行えば、良好な経過が期待できます。早期に治療を開始することで、乳がんによる死亡率を減少させることができるのです。乳がんを早期に発見するためには、日頃のセルフチェックに加えて、乳がん検診を受けることが大切です。
特に、40歳代からは乳がんにかかる危険性が高くなりますので、自覚症状がなくても、2年に1回は乳がん検診を受けることが勧められています。早期のしこりのない乳がんは、セルフチェックで発見することが難しいです。無症状でも乳がん検診で乳がんが見つかることがありますので、定期的に医療機関の乳がん検診にて、マンモグラフィ検査や超音波検査を受けましょう。
乳がん検診は、職場検診や人間ドックはもちろん、市区町村の住民検診としても行なわれています。市区町村で行われる乳がん検診の対象年齢や費用は、市区町村によって様々です。(一定年齢に達した女性が対象の、乳がん検診の費用補助を行う市区町村も増えてきています。)
また、がん検診推進事業では年度ごとに対象者を決め、無料クーポンを配布しています。配布の内容は各市区町村で異なりますので、お住まいの市区町村へ問い合わせてみて下さい。
まとめ
乳がんは、早期発見が大切だということがよく分かりましたね。乳がんのセルフチェックはとても簡単に出来ます。月に一度のひと手間で、命を脅かす恐ろしい病を防ぐことが出来るのです。大切な家族のためにも、これから毎月、乳がんのセルフチェックを習慣にされてみてはどうでしょうか。
この記事へのコメントはありません。