近年、小学生の英語が必須科目化し、ますます早期化を見せる英語教育。幼稚園などでも英語に取り組むところが増えてきましたよね。グローバル化が進む中で、英語は避けて通れません。「うちの子が将来英語で困る事がないようにしたい」「英語が話せるようになって欲しい」そう願って、幼児英語幼児に興味を持ってらっしゃる方は多いと思います。
そんな幼児英語教育ですが、注意すべき点はないのでしょうか。詳しく検証してみましょう。
目次
幼児英語教育、いつから始めたらいいの?
英語を含む言語の学習は一般的に
「Reading 読む」
「Writing 書く」
「Listening 聴く」
「Speaking 話す」
の4本の柱でできているといわれています。
ここで幼児期に注目したいのは、「聴く」と「話す」の部分です。これには「臨界期」という考え方があるのですが、簡単にいうと、幼児期における刺激や経験がすごく大きな影響を受ける時期のことで、この時期は脳が経験などによって変化しやすいとされていて、一説には、「聴く」言語脳が形成されるのが6~8か月と言われています。
なんでもこの時期に英語に継続的に触れることで、脳内に英語と日本語の部屋が構築され、バイリンガル脳にすることが出来るんだとか。
例えば日本人が苦手とする「L」と「R」の発音も、この時期から継続的に英語を聞いていることで聞き分けられるようになるし、聞き分けられるからこそ「話す」の能力がついてくるようです。なお、日本語と英語を聞き分けられる脳にする限界は9~10歳と言われています。
うちの子はもう6~8か月を過ぎたから、と諦めることはありません。なんでも吸収する幼児期に適切な英語教育を開始することはバイリンガルへの第一歩なのです。
幼児英語教育、教材だけでは英語を話せない
ではどんな方法で幼児期には英語教育をすればいいのか。巷には沢山の幼児英語の教材の広告が溢れていますよね。このセットを使えばうちの子も英語を話せるようになるかしら…と興味を持たれることも多いと思いますし、このDVDやCDを聞いていれば英語脳が作れるはず、と考える方も多いと思います。そのような教材を使って幼児英語教育に取り組むのも、完全には間違ってはいないでしょう。
しかし、一つだけはっきりといえるのは、「教材だけでは英語が話せるようにならない」という事です。言語はコミュニケーションツールです。すでにコミュニケーション能力のある大人ならまだしも、幼児には一方的な刺激だけでは不十分。DVDやCDからの一方的な刺激ではなく、人との双方向の刺激、コミュニケーション活動を取り入れることが「聴く」と「話す」という力を伸ばすのに大切なのです。
幼児英語教育を受けさせるなら英語のプロから学ぶ
家の中だけでそういった教育をすることも可能ではありますが、やはり英語のプロから学ぶのが鉄則です。昔から定番の、英語教室に通うだけでなく、最近は家に居ながら海外の先生とリアルタイムで話すといった、オンラインスクールで学ぶこともできます。子供向けのプログラムを用意しているところもありますのでそういった所を利用するのもいいかもしれませんね。
ここで重要なのが先生の選び方です。とりあえず体験等で先生の会話力を確かめておきたいところです。幼児とのやりとりが上手な先生であるかどうか、評判をチェックするのももちろんですが、実際にまずは試してみましょう。そういえば、ネイティブの先生じゃないとダメ!と考える方もいらっしゃるかと思いますがそれは間違っているかもしれません。
ネイティブならではの訛りや方言がある先生もいます。ネイティブかどうかにこだわるのではなく、「発音指導がうまいかどうか」に注目するのがいいと思いますよ。英語に親しむだけではなく、英語を使って話せるように導いてくれる教室や先生に出会う事が、幼児英語教育のキーとなりそうです。
尾木ママは国語力の低下になると警鐘
ところで、一般的に早いほうが良いといわれる英語教育ですが、一方で教育評論家としてメディアによく登場する尾木ママ(尾木直樹さん)はこのように警鐘を鳴らしています。「国語が苦手な人は、圧倒的にいじめっ子になりやすい」これは、国語力がないと相手の気持ちを理解することが全然できなくて被害者の気持ちが全然わからなくなり、いじめっ子化するという主張です。
国語が英語となんの関係が?と思われるかもしれませんが、幼児期に覚えられる単語数は決まっていて、英語教育をすることで、覚えられる日本語の単語数が減るらしいのです。つまり、幼児英語教育が国語力を低下させるということ。
この尾木ママの言葉は、「早期英語教育がいじめっ子を増やしているのではないか」このように言い換えることができるのではないでしょうか。尾木ママは、はっきりと幼児期からの英語教育を否定しています。英語教育に夢中になるあまり日本語がおろそかになることには注意が必要かもしれません。
学校が英語教育を前倒しする理由とは?
では学校で英語教育が前倒しされるのにはどのような背景があるのでしょうか。端的にいうと、今までの方法では遅すぎたと判断されたからです。
従来通りのであれば、「中学生に英語圏の小学1年生レベル(ABCの書き方)」からのスタートだったわけですが「小学生に英語圏の幼児レベル(歌や手遊び)から始める」ことで英語をより身近にするために前倒しされたのですが、前述したように、日本語と英語を聞き分けられる脳にする限界は9~10歳。中学生からでは少々遅すぎる感がありますよね。
それにABCや単語や文法をひたすら覚えるって苦痛ではないでしょうか。学習において一番大切なのは、なんといっても「興味を持つこと」です。好奇心旺盛な子どもは、興味がわけば自然と自ら様々なことを学習していきます。歌や手遊びなどを通じて英語を楽しいものとする事で自然と英語を身に着けられるようにする。そんな狙いがあるように思います。
幼児英語教育のメリットとデメリット
ここまでで述べたように、幼児教育にはメリットとデメリットがあります。
幼児英語教育のメリット
まず、臨界期に英語を習得することで、「聴く」言語脳が形成され、その後の英語学習をよりスムーズにすることが出来ることは大きなメリットの一つでしょう。英会話において、ネイティブの話すスピードについていけるかどうかは重要なポイントです。
これには、はっきりと発音を聞き分けられる脳の下地を作ることが重要です。「L」と「R」の違いなどが聞き分けられる脳を作るためにも幼児のうちから英語に触れておくことは大事なことだと思います。それに聞く力が育ってくると、自然と話す力も育ってくるとされています。本当に英語を自分のものにするためには、まず聞く力を育てるという意味で幼児期からの英語教育は欠かせないものだと言えそうです。
また、幼児期はなんでも吸収してしまう時期です。この時期に英語に触れさせることが、バイリンガルへの近道になることは間違いないのではないでしょうか。
幼児英語教育のデメリット
一方でデメリットもあるでしょう。教室や教材等にお金がかかってしまうことは案外侮れない所かもしれません。力を入れれば入れるほどに、費用はかさむことになるでしょう。それから、英語に力をいれるあまりに日本語が削られるといった点も見逃せません。なんでも吸収する幼児の脳にだって限界はあります。
尾木ママがいう「いじめっ子になる」は極論かもしれませんが、英語に一生懸命になるあまりに日本語がおろそかになってしまうのは問題です。幼児だからこそ、バランスよく生活に英語を取り入れる工夫が必要になるでしょう。
ちなみに、英語教育を専門に教えている塾の先生が熊本にいます。熊本の塾ブレイクスルーアカデミーです。こちらも、ご参考ください。
まとめ
これからさらに国際化が進んでいきます。日本以外の国の方と触れる機会もどんどん増えていきますし、ますます語学力が必要とされています。英語教育は、子供の視野を広げるという意味でもとても重要になってくると思われます。
幼児期からしか出来ないこと言う事はないかもしれません。
そして幼児期だからこそ起こる弊害もあります。デメリットに注意しつつ、幼児期からの英語教育を上手に取り入れていくことはさらに子供の人間関係を大きく広げてくれることとなるでしょう。
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